読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

はたらく投資家

サラリーマン生活に疲れきっている投資家が奮闘する日記(ポロリはないよ)

青の炎

とても切ない、胸がきゅんと締め付けられるような物語でした。

主人公の樫森は突然家に現れ居座り続ける義父にたいし憤りを感じていた。
母が犯された。娘にもその歯牙が迫っている。そう感じ取った彼はまずは法的手段に訴えようとするが、それがかなわない。

最後に残された手段は彼の手で実行される。自分と母そして妹の平和を守るため。彼は静かに決意を決める。

この犯罪は完全犯罪でなければならない。なぜなら彼が犯人であることがわかると、家族が世間の好奇の目にさらされることになるからだ。自然死に見えるように綿密に計画を練り、実行する。

だが、犯行の証拠を握った人物がいた。強請られる。家族を守るため、強請ってきた人物を偶然を装い殺害する。家族を守るため。一度虎になったものはもう人間として生きていくことはできないかのように物語は進む。

彼には疑いの目が向けられる。最後まで彼は自分のためだけではなく、家族友人そして恋人のことを思いそれを行動原理とし行動する。結局彼は自白する。友人・恋人に庇ってもらっているということが分かり、感情が傾いたからだ。自白のあと彼は一日だけ時間がほしいという。別れを言いたい人がいるから、と。

自白の次の日、今まで行動原理としてきた者たちに別れを言い、彼は国道をロードレーサーで走る。被疑者死亡での幕引きを迎えるため。


もしも義父が戻ってこなければ、義父が末期がんだと知っていれば、もしも犯行の前後を見られていなければ・・・。そんなもしもを考えさせられる、作品でした。

私がもし当事者だったとしたらどうしたか、おそらく何もできなかったと思います。自分ひとりで決断して実行する、これって結構ストレスのかかることなんですよね。特に日常的に反復して行わないことについては特に大きなストレスがかかります。考えるのを辞めて自暴自棄になってしまう、何かいい方法がないか更なる可能性を探る、わたしだったらそうなるんじゃないかと思います。