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はたらく投資家

サラリーマン生活に疲れきっている投資家が奮闘する日記(ポロリはないよ)

日銀のマイナス金利について解説するよ

投資

こんばんは。

29日(金)の正午過ぎ、日銀政策決定会合の結果が公表されました。日銀当座預金のマイナス金利導入が決定されたようです。
日銀当座預金のマイナス金利とはいったいなんだ?と思われる方、いますよね?
 
今日はマイナス金利、その効果について解説していきたいと思います。
 

 

マイナス金利が発表された

まず、マイナス金利の詳細についてみていきましょう。まずは公表分概要から。
 
「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入
 
(1)「金利」:マイナス金利の導入(賛成5反対4)(注1) 金融機関が保有する日本銀行当座預金に▲0.1%のマイナス金利を適用する1。 今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる。 具体的には、日本銀行当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層 に応じてプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用する(※別紙)。 貸出支援基金、被災地金融機関支援オペおよび共通担保資金供給は、ゼロ金利 で実施する。
より引用
 
預金・貸出・為替業務を3大業務として据える金融機関(銀行)は各々日本銀行に当座預金を保有しています。
 
銀行は「準備預金制度に関する法律」(1957年施行)により、銀行は受け入れている預金残高に対して一定比率以上の金額を日本銀行の当座預金(以下準備預金)に預け入れることを義務付けられています。預入を義務付けられているのですが、この預金には私たちが銀行に預け入れる預金と同じように利息が付きます。日本銀行は準備預金に利息を付けることにより、預け入れるインセンティブを銀行に与えているわけですね。
 
昔は、この準備預金の比率を変動させることにより金融緩和・金融引締め(以下金融政策)を行っていましたが、現在は短期金融市場が発達し、主に短期金融市場への介入により金融政策が実施されているため1991年よりこの準備預金の比率は変動していません。
現在の準備預金の意義としては、銀行に一定以上の余裕資金(準備預金)を保有することを義務付けることにより金融の安定化を図ることにあります。
 
金融政策とは一線を画すようになった準備預金。なぜ日銀は今回の金融緩和策で準備預金に焦点を当て、金融政策を実施したのでしょう。
 
 

マイナス金利適用スキーム

マイナス金利は以下のように適用されます。

 

(※別紙)
日本銀行当座預金のマイナス金利適用スキーム
日本銀行当座預金のマイナス金利適用スキーム 日本銀行当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層に応じてプラス金 利、ゼロ金利、マイナス金利を適用する※5。
 
1.3段階の階層構造
(1)基礎残高(+0.1%を適用) 「量的・質的金融緩和」のもとで各金融機関が積み上げた既往の残高につい ては、従来の扱いを維持する。具体的には、各金融機関の日本銀行当座預金残 高のうち、2015 年1月~12 月積み期間(基準期間)における平均残高までの 部分を、既往の残高に対応する部分として、+0.1%を適用する。
 
(2)マクロ加算残高(ゼロ%を適用) 以下の合計額にはゼロ%を適用する。 ① 所要準備額に相当する残高 ② 金融機関が貸出支援基金および被災地金融機関支援オペにより資金供給 を受けている場合には、その残高に対応する金額 ③ 日本銀行当座預金残高がマクロ的に増加することを勘案して、適宜のタ イミングで、マクロ加算額((1)の基礎残高に掛目を掛けて算出)を加 算していく。
 
(3)政策金利残高(▲0.1%を適用) 各金融機関の当座預金残高のうち、(1)と(2)を上回る部分に、▲0.1% のマイナス金利を適用する。
(1)今までの準備預金の平均残高に0.1%の利息、(2)それ以上の所用準備預金や預金の増加に伴う準備金の増加額に対しては利息を付けず、(3) 1,2以外の準備預金について▲0.1%の利息を付ける・・・ということですね。
預け入れた銀行が日本銀行にお金を支払わなければならないということです。銀行が100万準備預金に預け入れたら一年間で1000円日本銀行に支払わなければなりません。
したがって、準備預金に預け入れるメリット(利息が付く)がないため、準備預金からお金を引き出すことが期待されます。このお金を銀行が貸出資金や投資資金へ回せば経済は盛り上がることが期待されます。そこで一つの問題点があります。次を見ていきましょう。
 

マイナス金利を適用スキームの補足

2.現金保有額が大きく増加した場合の取り扱い
金融機関の現金保有によってマイナス金利の効果が減殺されることを防止する 観点から、金融機関の現金保有額が基準期間から大きく増加した場合には、その 増加額を、(2)のマクロ加算残高(それを上回る場合には、(1)の基礎残高) から控除する。
銀行は貸出先や投資先があれば準備預金から引き出したお金を市場に回すはずですが、適当な先が無い場合も想定されます。すると、銀行は日本銀行の準備金を引出すだけで投資をせず、短期的には現預金保有比率を高めることが予想されます。それに対しての策が2.なのでしょう。策2.によると、現預金保有額が増加すると、マクロ加算残高・基礎残高から控除することによりマイナス金利が適用される部分が増えます。それを回避する銀行が現金ではなく別の形態の資産にすることが期待されます。
いやいや、貸出先や投資先が見つからなければいくらマイナス金利が適用されるからって貸出や投資なんてするはずがないでしょう、と思われる方がいるかもしれません。直球でいうとそれは間違いです。次を見ていきましょう。
 
 

マイナス金利の意義

これがマイナス金利の意義だ(ドーン)

※ 階層構造としても、金融市場に対してはマイナス金利としての効果を持つ。すなわち、金融取引の価格(金利・株価・為替相場など)は、ある新しい取引を行うことに伴う限界的な損益 によって決まる。マイナス金利が当座預金残高の全体にかからなくても、限界的な増加部分に かかれば、新しい取引によって当座預金が増えることに伴うコストは▲0.1%である。金融市場ではそれを前提として金利や相場形成がなされる。
より引用

何を言っているのかというと、

 

例えば、銀行が預金と投資と準備預金預入によってのみ成り立っている会社だとしましょう。

預金を集めるコストは0.05%、投資の利益は0.06%(値下がりリスクや倒産リスクなどを、差し引いた純額)準備預金の預入は0.1%の利益が出るものとしましょう。投資の利益は0.09%なので準備預金より劣ります。この場合、預金を集めて準備預金に預けると0.1%の利益、預金を集めるのに0.05%が出るので合計0.05%の利益が出ます。一方で投資した場合は利益が0.06%、預金を集めるコストが0.05%なので、合計の利益は0.01%。利益のみを求めると、銀行は準備預金に預けますよね。

 

もう一つ条件を加えましょう。マイナス金利を導入した場合をシンプルに表現した条件です。

追加条件:準備預金は▲0.1%になる前の一歩手前のところであると仮定します。

この条件下では預金を集めて準備預金に預けると▲0.1%の利益、預金を集めるのに0.05%が出るので合計▲0.15%の利益(損失)が出ます。一方で投資した場合は先ほどと同様、利益が0.06%、預金を集めるコストが0.05%なので、合計の利益は0.01%。利益のみを求めると、銀行は投資にお金を回しますよね。

 

やはりマイナス金利を導入すると銀行が投資にお金を回すことが増え市場に今まで以上にお金が回ることになります。