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はたらく投資家

サラリーマン生活に疲れきっている投資家が奮闘する日記(ポロリはないよ)

東芝の改善状況報告書をまとめてみた ~東芝は復活できるのか~

東芝が8月18日適時開示で「改善状況報告書」を公表しました。

 

(粉飾決算をめぐる一連の報告)

www.toshiba.co.jp

 

(改善状況報告書)

http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20160818_1.pdf

 

東芝は会計不正をめぐり、2015年の4月から続く一連の会計不正問題への対処に関して東芝が改善状況を報告したということですね。

 

今日はこの中身を簡潔にまとめてみていきたいと思います。

 

 

 

東芝の不適切会計が生じた原因

 

・歴代代表執行役社長による目標必達へのプレッシャー

・プレッシャーを可能にした当期利益重視の業績評価・予算制度

・CFOや財務・経理部門等の業務執行部門におけるけん制機能の不全

・内部監査部門の機能不全

・適切な財務報告に向けての意識の欠如

・歴代代表執行役社長らの意向を優先したことによる財務・経理部門における財務報告に対する意識の低下

 

 

主な原因としては上記のように報告されています。結局、上層部のプレッシャーによってすべての内部統制機能が破壊されていたということですね。

 

会社という組織も人間のつながりでできているわけなので、人事権を持っているお偉い方がすこしプレッシャーをかけるだけで内部統制なんてすぐ崩れてしまいます。そうみていくと、上層部の責任は甚大です。

 

 

体制改善への取り組み

東芝の体制改善に対する取り組みは大きく4つにわけられます。

 

経営トップらに対する監督強化

→取締役会の監督機能の実効性を担保するために取締役の過半数及び議長を社外取締役とする

→取締役会の監督機能を強化するために監査委員会による社外取締役への支援を実施

→社外取締役のみで構成される評議会の設置

→指名委員会・監査委員会を原則5名程度の社外取締役のみで構成し、社内の実情が適切に伝達される仕組みを構築

→監査委員会に内部通報窓口を設置

→内部監査部の業務を開会監査及び業務監査に限定し、機能と職責を明確化

 

内部統制機能の強化

→予算統制の見直し。業績評価を短期的な売上・利益重視から中長期支店とキャッシュフロー及び実績重視へとシフト

→社長月例(業績報告会)の廃止(社長の部下に対する詰め防止のため)

→CFOのけん制機能を強化するためCFOから監査委員会の報告事項・報告時期を明確にする

→予算統制と会計処理を分離するため、財務会計と管理会計の担当を分離・明確化

→カンパニー経理部門のカンパニー社長からの独立性を担保するため、カンパニー財務統括責任者の人事評価権をCFOへ移管

 

マネジメント・現場の意識改革

→経営トップらを対象にした意識改革研修の実施

→経営トップから全従業員に対するメッセージの発信(コンプラや財務報告の重要性に関し)

→従業員意識調査等の実施(コンプラ順守状況の確認のため)

→今回の事件に関与が疑われる従業員について調査し、懲戒処分の実施・社内への公表

 

開示体制の改善

 →広報・IR部の下に情報開示の専門組織である情報開示推進室を新設。適時適切な開示を行う旨を規定し、情報開示の基本姿勢を明確化

→情報開示推進室へ情報を通知する基準について設定・明記。情報提供については、WEBベースの提出プラットフォームを作成

 

 

最後に

内部統制機能の再構築はもちろんやるべきことだとは思うのですが、より注力すべきは外部の統制機能の再構築でしょう。そういう意味では、経営トップらに対する監督強化の項目にたいし最も注力すべきでしょう。社外取締役の選任の際には、経営層と以前の上司部下の関係であったとかそういうことは無いように細心の注意を払うべきでしょう。報告書を見る限り、改善は順調に進捗しており、プロセスの定着をこれから図っていくといったところでしょうか。

 

東芝にとっては劇薬ですが、こういうことがないと、自社の組織体制や様々な承認プロセス見直す機会というのはなかなかないものです。今回の事件を機会により良い会社になってもらいたいものです。