株価は底値をつけると徐々に上がっていき、徐々に上がっていく過程で徐々に過熱感を帯びだし、株価の上昇がまた新たな買い手をつれてきてバブルを発生させます。
このような株価の動きを作り出す企業業績の変化を景気循環といいますが、景気循環はどのようにして起きているのでしょうか。
また、景気循環を予想することはできるのでしょうか。
景気循環の過程は大きく4つに分けられる
景気循環には4つのフェーズがあります。
1.金融相場
2.業績相場
3.逆金融相場
4.逆業績相場
以上の4つです。
景気循環を
・金利
・業績
の2指標からみていく景気循環論です。
金利が低下すると株価上昇要因に
金利が上昇すると株価下落要因になります。
一方で会社の業績が良くなると株価上昇要因に
業績が悪くなると株価下落要因になります。
金利と企業業績容易にわかる2指標によって考える論理なので
とても分かりやすくすぐにでも実際の相場環境に適用できるかと思います。
では、見ていきましょう。
金融相場
景気後退期に始まる上昇相場を金融相場といいます。
金融相場では金融緩和が行われ、金利が低下します。
①金利が低下することにより、株式の債券に対する相対的な魅力が増すこと
②企業の借入金金利負担が少なくなること
により企業業績が好転が見込まれることが株高要因となります。
つまり、金融相場とは金融緩和による企業業績の好転を見越した「予測」の買いが入る時期といえるでしょう。
業績相場
企業の業績が回復しだし、金融緩和の出口戦略がとられる(つまり、金利が徐々に上昇しはじめる)局面になると金融相場から次の相場、業績相場へ移行しているといえます。
この段階では、金利は上昇基調、企業業績が増益基調にあります。
金利が上昇すると、株価にとってマイナスの効果がありますが、企業業績の増益により、それ以上に株価へのプラスの効果が働き、株価は上昇します。
逆にいうと、金利上昇による株価へのマイナスが企業業績の増益による株価へのプラス効果を超えると業績相場は終結したといえるでしょう。
このように、企業業績の好転(「実態」)を見たうえでの買いが入る時期であるといえるでしょう。
逆金融相場
逆金融相場の局面では、金融引き締めによって株式市場に流入する資金が減少する一方で企業業績の伸びが低下してくる。
この段階でも業績相場と同様に金利は上昇基調、企業業績は増益基調です。
しかし、金利の上昇分による株価へのマイナス効果が企業業績の増益による株価へのプラス効果を上回り、株価は下落します。
逆金融相場では「予測」のマイナス効果が「実態」のプラス効果を上回ることによる株価下落が起きる時期であるといえるでしょう。
逆業績相場
企業業績が下落基調になり、政府・中央銀行が対策を講じ、金融緩和を行い、金利が低下基調にある局面が逆業績相場です。
金利低下による株価へのプラス効果を企業業績の悪化による株価へのマイナス効果が上回り、株価は下落します。
逆業績相場では、「実態」のマイナス効果が「予測」のプラス効果を上回ることにより、株価が下落する局面であるといえるでしょう。
買い時・売り時はいつ?
ここまで見てきた通り、金融相場・業績相場・逆金融相場では最終的に株価は上昇します。
一方で逆業績相場では最終的に株価は下落します。
まとめると、以下のようになります。
◇買い時
・政府・中央銀行が金融緩和を行い始めたとき
・企業業績が回復しだしたとき
・企業業績が順調に伸びているとき
◇売り時
・政府・中央銀行が金融引締めを行った後企業業績が悪くなってきたとき
現状の日本株について
現状の日本株をこの景気循環論にあてはめると、業績相場前半に該当するのではないかと思われます。
アメリカは今ちょうど逆金融相場に差し掛かっていますね。
アメリカの金利上昇を背景にした世界同時株安がちょうど昨日から話題になっています。
金利が上昇したからと言って企業業績が即座に悪くなるわけではないため、一時的な株安かとは思います。
ただどこまで下がるかはわからないためしばらくは資金量を少なくして底で買えるようにタイミングを見計らったほうが良いでしょう。